そこで、不思議な所に迷い込んだ。ニワトリやヤギが、村を自由に歩き回っている。そして、耕耘機を使わず、馬を使って畑を耕している。(真中の黒いのが、馬)
馬車を使って、荷物を運んでいる。究極のオーガニックを目指した農家かと思ったが、皆が青い服を着てるのを見て、ようやく気が付いた。彼らは、アーミッシュだ。
アーミッシュとは、ドイツ系移民で、移住当時の生活を変えず、電気や車などの文明を拒絶して生活している人達のことである。
話には聞いた事はあるが、偶然アーミッシュの村に迷い込むとは、思ってもいなかった。皆、とても笑顔で、親切である。文明を拒絶していると言っても、臨機応変に、必要な物は取り入れているようだ。異質なイメージは全くなく、むしろ、好感が持てる対応であった。何より、その近所の村も、アーミッシュと大差ない生活で、原始的な農業をしているので、目立つ事は無い。車を使わないのと、青い服を着ている位の違いだ。
オックスフォードという近所の街だが、やはり、長い間進化していない雰囲気だ。
アーミッシュは、写真を拒絶するとの事で、残念ながら、写真が無い。
この後、フィラデルフィアを目指すが、途中の風景は、まさにヨーロッパの郊外の様な所であった。
アーミッシュに限らず、この辺りの人は、ヨーロッパの生活をそのまま壊さずに、ずっと守っているのだと思う。
メディアという街を、通り掛かる。まさにヨーロッパという、あまりにも綺麗で、出来すぎた街だ。
何でも、フェアトレードを最初に導入した街らしい。この街に住んでいたら、そう考えるのもうなずける。
そして、フィラデルフィアが近付く。都市の廻りには、決まってスラム街がある。
自動車なら、高速道路で通り過ぎるのだろうが、自転車では、通過儀礼の様なものだ。
フィラデルフィアに到着。ペンシルバニア州最大の都市、しかも、大都市である。
小型マンハッタンというのが、ぴったりな所だ。多勢の人が、繰り出している。
中心地には、立派な市役所が君臨している。
この街は、自転車に乗っている人が、とにかく多い。今のところ、ロサンゼルスに次いで、2位である。
ニューヨークに加え、フィラデルフィア、ボルチモア、ワシントンDC、ボストンを一帯として見れば、巨大な経済圏であるというのが、肌で感じられた数日間である。
走行距離:127.25キロ 通算:9116キロ
宿泊地:メカニクスビル、ペンシルバニア州