ピンチは続く

今日の作戦。取り敢えず、針金を使って、応急処置をする。そして、40キロ、自転車で走って、バイクショップへ行く事にする。途中で走れなくなったら、そこから歩く。ホイールが曲がっていて、すでにブレーキとぶつかっているので、ブレーキは、取り外しておく。

それと、少しでも負担を減らす為に、荷物を減らして、重量を軽くしておく。ロッキー山脈超えの為に、いずれは、しておきたかった事だ。幸い、近くに郵便局があるので、そこから家へ荷物を送る。それにしても、田舎なのに、立派な郵便局だ。



荷物を減らして、随分とカバンがスッキリした。



昨日は、全く余裕が無かったが、良く見ると、綺麗な街である。ミシシッピ川が、まだ続いている。



それでは、出発。壊れないように、そっと。

正確には42キロ、バイクショップにたどり着いた。しかし、この手のバイクは扱っていなくて、部品が無い。近くのバイクショップ(と言っても、何十キロも遠く)にも問い合わせてくれたが、やはり駄目だった。中国製の安いマウンテンバイクばかり、扱っているらしい。それでも、ホイールの歪みを取り、応急処置を施してくれた。なんと、無料で。これで、何とか今日のところは、持ちこたえられる。感謝の限りである。

やはり、ある程度大きな街に行かなくては、解決しそうにない。と言う事で、北西方面へ向かう。そうは言っても、一番近い街でも、100キロ以上離れている。しかも、向かい風で、なかなか進む事が出来無い。それでも、進むしか無い。

途中の風景は、ローカルそのもの。



それでも、時折、綺麗な風景に出会う。



いつもなら、何処に宿泊するか、だいたい決めているのだが、今日は、アクシデントがあったので、何も考えていない。4時位になり、少し不安になる。 iPhoneで検索。このまま進んでも、キャンプ場もホテルも無い事が分かり、進行方向を北へ変更する。そして、辿り着いたのが、バトルレイク。夏場のリゾート地である。



リゾート施設に、ホテルとキャンプ場、両方ある。今日は、キャンプにしようと思っていたら、マネージャーのウェンディが「部屋が空いてるから、同じ値段でいいわよ」と、ウィンクして、ホテルに泊まらせてくれた。



更に「晩御飯の買い物に行くけど、一緒に行く?」と、誘ってくれて、車で、ビールと食糧を調達に行った。この辺りのコミュニティは、とても良く、車に鍵を掛ける必要が無いんだとか。もちろん、家にも、鍵は必要ない。

そして、ホテルの隣の部屋は、自転車旅行中の、親子3人であった。楽しく、旅の話で盛り上がった。お父さんにビールをすすめたら、「ギルティーを感じるな〜」と言いつつ、しっかりと呑んでいた。



何処を見ても、気さくな人達である。それと、シカゴを過ぎてから、少しずつ、湿気が低くなっている。居心地が良く、蚊が減ってきた。あくまでも、夏場の事である。冬は寒いらしいが、どれ位かは分からない。

結局、問題は解決しなかったが、悪い事ばかりでも無い一日だった。ピンチは、明日へ持ち越し。まずは、大きな街のバイクショップを目指す。それまで、問題が起こらない事を祈るだけ。

走行距離:143.07キロ 通算:12262キロ
宿泊地:バトルレイク、ミネソタ州