カジノへ、アリゾナへ

この所、本当に小さな街が続いている。ガソリンスタンド、小さなスーパー、レストラン、酒屋がそれぞれ一軒、というのが典型的な構図だ。マックもスタバもない。



ここにやってくるのは、近くの農場で働く人々である。同じ第一次産業でも、カウボーイ達に比べると地味なイメージがある。一生ここで働いているのだろう。農場規模は違えど、構図は日本と変わらない。都市部の人々が生きていけるのは、彼らのお陰だ。しかし、彼らの娯楽は、サンドバギー、スポーツボートと豪快である。

地形のせいか、朝から暑い。昨日と同様、小さな虫が容赦なく飛び込んでくる。そのまま進んでいると、今度はカジノの看板が容赦なく飛び込んでくる。あまりの暑さに、こちらから容赦なくカジノへ飛び込んでいくことにする。



アメリカには、インディアン居住区がいたるところにあり、その中ではカジノが出来る。(地域の条例によって出来ない所もある)いわゆる、インディアンカジノだ。この収益を先住民の貧困解消のために使うという政策である。

少し勝った所で、退散。そうこうしてるうちに、アリゾナ州に入る。



とたんに、日差しが激しくなる。半袖では肌がもたない。暑いのを我慢して、長袖ジャケットを着る。すぐに、サボテンが誇らしげに生息する荒野へと姿を変えていった。



身の危険を感じ、店に入り様子を見る。どうやら、こんな暑さはたいした事ないらしいが、初めての感覚である。2リットルのジュースを飲み干し、4リットルの水を担いで出かける事にする。

これは、やはり旧道で廃墟になってしまった建物。



暑いのを我慢して、5時を過ぎた頃、感覚が変わってきた。全く湿気が無い、生暖かい風が、心地良く感じてきた。丁度その頃、ようやくたどり着いたキャンプ地で出会った幸せな人々である。



彼らは、既にリタイアし、冬の間だけアリゾナに住んでいる。夏になると、それぞれ自分の家に帰っていくらしい。とっておきの場所を何ヶ所か持って、転々としている人もいる。もちろん、住んでいるのはテントではなく、豪華なキャンピングカーである。昼間は木陰でゆっくりとし、夕方になると集まってきて、バーベキューをして、冗談を言いながら楽しく過ごしている。毎日そんな感じだが、飽きる事なく楽しくやっているそうだ。もちろん、飽きたらキャンピングカーごと、何処かへ遊びに行けば良い。今日は、仲間に入れてもらい、飲んで食べて、一緒に楽しく過ごした。夜になっても全く寒くなく、気持ち良い風が吹いている。

第一印象は悪かったアリゾナだが、冬だけ過ごすなら、極楽かもしれない。

走行距離:125.66キロ 通算:1657キロ
宿泊地:ホープ、アリゾナ州