朝、近くの郵便局に寄る。そういえば、今まで、どこに行っても、街の中心に郵便局があった。この街の郵便局は、今にも倒れそうな建物に、間借りするかの如く、ドア1つの小さな部屋で営業していた。中では、1人で作業している。
日本と同じく、アメリカの郵便局も赤字が問題となっているが、隣の街まで何十キロという立地を考えると、こんなささやかな郵便局なら残すべきだ。
用事を済ませ、出発。隣の街まで、100キロ。今日こそは、途中に何も無い。日々、緑が濃くなっていく風景を、1枚。湿度も上がっていく。
50キロ地点、国境警備隊が道の脇で待機しているのに遭遇。少し、話をする。他には、人に会わない。
85キロ地点、向こうから2人連れがやって来た。グレッグとジェフ。随分と軽装だが、テキサスを横断するらしい。
今日、宿泊する街について聞いた。「20〜30人位の街かな、何も無いよ」。
その通り、かなり、廃れている。小さいながら綺麗な景観を保っている街、そうで無い街、何が違うのだろうか。
自転車にとって、上り坂は天敵である。上り坂、下り坂、一日に何度も人生を送っているようである。小泉元首相は言った、「まさか」がある、と。でも、それだけではない。風が大事だ。向かい風の時は、まったくスピードが出ない。今日は、極度に強い向かい風だった。下り坂でさえ、一生懸命こがなければ進まない。しかも、坂と違って、その場へ行かなければ分からない。自転車は、人生そのもの。
グレッグとジェフは、今日は楽だと言っていた。完璧な追い風である。そんな日も、ある。
走行距離:102.98キロ 通算:3305キロ
宿泊地:ラントリー、テキサス州