車は、ほとんど通る事はない。このガソリンスタンド、何十年も時が止まったようだが、現役で稼動している。
アラスカから来ているダン、ワイルドな57歳だ。数ヶ月契約で働き、そして自転車旅行、これを繰り返しているらしい。アラスカは、生活費が掛らないから、こんな生活が可能なのだとか。
それより、テキサスから先は、今だにカトリーナの傷跡がひどく、テントなど張れないそうだ。ホテルに泊まるしかないらしい。肝に命じておこう。
そして、壮大な山を登る事、実に5時間も掛った。これには参った。登り切ったところで、今度は下を向いて一枚。
途中、トラックの運転手が、通り掛りに「何処までいくんだい?」と声を掛けてきた。よくある事だが、意外と返事に困る。
①アメリカ一周:その通りだが、このシチュエーションではちょっと違う。
②フロリダ:方向的には判りやすいし、スケール感もあるが、道が特定されない。
③ニューメキシコ:道は特定されるが、何か物足りない。
中を取って「テキサス」と答えてみた。「そりゃ大変だ、乗っていきなよ」。答としては、間違っていなかったようだ。しかし、これはルールに反すると思い、丁重にお断りした。
峠を超えたら、そこには木々が生い茂る別世界が広がっていた。そして、ニューメキシコに入った。
厳つい土地から、優しさに溢れた土地へ、一瞬にして変る。州境とはそんなものか。もう、サボテンの姿は、無い。
ニューメキシコは、様々な顔を持つ州と言われている。今回は、南部しか通らないが、どんな所だか楽しみだ。
走行距離:128.62キロ 通算:2282キロ
宿泊地:バックホーン、ニューメキシコ州